ネット時代のデジタルプリアンプを作ろう

aeolian design tech blog (https://www.aeoliand.com) 室内音響 音場補正 Dirac Live の話題です

5. デジタルプリアンプとは

== デジタルプリアンプ事始め (5) ==

なぜデジタルプリアンプなのか?

プリアンプが持つ,入力切り替え,音量,音質の調整機能が,音(と値段)に及ぼす影響をまとめると,

  • 音楽信号を電気回路に通せば通すほど音は原理的に悪化する.
  • ボリュームは小さい音で聴けば聞くほど音が悪化する.
  • ボリュームは小さい音で聴けば聞くほど音量の細かな調整が難しい.
  • トーンコントロールを使うと元々の音楽信号の波形が壊れる.
  • トーンコントロールは周波数の細かい調整ができない.

 

これらの問題を顧慮すればするほどアンプの値段が高くなり,それが数千円のアンプと100万円越えのアンプの違いになります(でも,安くても高くても機能は同じであることに注意してください).

 

もちろん100万円のプリアンプを購入することができれば,それで済むことですが,もし予算がなくてもそれに匹敵するものが安くできないものか,というのがデジタルプリアンプを作ってみようという動機です.

 

デジタルプリアンプとは

基本的な発想はこうなります.電気回路を通すと音が悪化するなら,なるべく音楽信号を電気回路に通さない.

つまり,音楽信号を電気回路に通して処理するのではなく,計算で済まそうというものです.幸い,プリアンプの主な機能は切り替え,音量,音質調整なので,これらの機能はすべて計算で実現でき,それは昨今のPCの演算能力で十分可能です.

 

これから皆さんと一緒に次のような構成のデジタルプリアンプを作っていこうと思います.

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メインアンプは購入しなくても大丈夫

作るのはプリアンプなので当然メインアンプが必要になるのですが,それはお手持ちのプリメインアンプを使ってください.ボリュームをMAXにしておけば,音質の悪化が最小になるので一石二鳥です.ただ,デジタルプリアンプ以外から音楽を聴く時にはボリュームはこれまで通り絞っておかないと,大変なことになりかねないので注意してください.

 

詳細はまた次回に.

 

aeoliand.hatenablog.com