デジタルプリアンプ事始め -全7回-
== デジタルプリアンプ 事始め (1) -全7回-==
デジタルプリアンプを作ろう
昨今の国内オーディオ市場は若干いびつになっていて,お手頃なミドルレンジの製品がなくなりつつあります.ローエンドは音に満足できないし,ハイエンドは手が届かない. 一方で,オーディオ用途としては十分高性能なラップトップが低価格で普及したことにより,まずは上流の音楽制作側がほぼラップトップを使用するようになりました.それを受け,下流のリスニング側もラップトップにする下地が整いつつあります.
ハイレゾ音源に関しても,SACD はあるものの,やはりお手頃価格のプレーヤーが手に入りにくくなっています.ここ 10年で,ダウンロード,ストリーミングの方が入手しやすくなったことを考えると,そろそろラップトップに移行せざるを得ない状況になっているのではないでしょうか.
かつてはラップトップでオーディオというと音質の心配がありましたが,これもここ 10年で十分向上し,デジタルからアナログへの変換を 24bit PCM / DSD / MQAなどに対応できる USB-DAC に分離したメリットが出てきています.また,デジタルでしかできない恩恵を十分に活用するソフトが出てきたこともあり,ラップトップでハイエンドに匹敵するプレーヤーをリーズナブルなコストで実現できるようになりました.もちろんアナログの性能は USB-DAC に依存しますが,これは要望に応じて自由に選択することができます.
このラップトップの役割は CDを含むメディアプレーヤー兼プリアンプになります.唯一の問題は,オーディオ機器のように購入してすぐ使えないことで,いろいろと設定をしなければなりません.面倒ではありますが,難しいことではないので,これからのんびり,皆さんと一緒に試行錯誤しながら,ラップトップをストリーミング・ダウンロード時代のプリアンプに仕立てていこうと思います.
プリアンプは何をしているの?
ふつう家でCDを聴くときはCDプレーヤーとアンプとスピーカーで聴きます.
このアンプはメーカーのカタログを見ると正しくはプリメインアンプと書いてあり,少し調べるとそれはプリアンプ+メインアンプ一体だとあります.
wikiによれば,プリアンプの役割は,”パワーアンプ(プリアンプとの対置ではメインアンプと呼ぶ)の前段に置き、音量のコントロール、トーンコントロール(イコライジング)、入力切替および録音機器へのルーティング等を行う”とあります.
ようは,入出力の切り替えと,音量と音質調整のことですね.
ところでアンプのカタログを見ると,安い方はプリメインアンプ,高い方はセパレートアンプとなっていて,プリアンプとパワーアンプが独立しており,安いものでも数十万円もします.
パワーアンプは大きく重く,いかにも高そうですが,プリアンプはなぜこんなに高いのでしようか.
やってることは,切り替えと,ボリュームと音質調整でしょ,と思ってしまいます.