12. Dirac Live による最適化のリスニングテスト
== Dirac Live for Studio デジタル室内音響補正の検証 (12) ==
主観的なリスニング
評価では写真にある Rythmik F18 のデュアルサブウーファーは使用していません.Purifi の PTT 16cm ウーファーからの 30Hz 以下の出力は驚くべきものなので,何度かそれを確認しなければなりませんでした.
マドンナ:Power of Goodbye
まず最初に試したかったのは,私のリファレンスの低音音源であるマドンナの「Power of Goodbye」を使って,私の部屋で 600Hz までの Dirac の部分補正をテストすることでした.
この録音を低音域のテストに使うのが好きな理由は,低音の持続時間が長いからです.これにより,部屋の共鳴を聞き取ることが容易になります.予想通り,実際,消えてしまう低音もあれば,私の部屋の音を支配している低音もあります.
Dirac を有効にすると,低音のレベルが同じ振幅になり,それぞれの持続音にしっかりとした力強い低音のレスポンスが得られます.私がレコーディングスタジオのコントロールルームで仕事をしていたとき,部屋のモードをコントロールする唯一の方法は,コントロールルームの幾何学的・音響的デザインだったので,いまだに驚いています.室内の反射や音響処理をコントロールすることはもちろんですが,長い波長の超低音域を処理するために必要なバストラップは,部屋の中の部屋(二重の部屋)という特別な音響設計が必要でした.低音は内側の部屋の壁を通過して,外側の壁に「トラップ」され,内側の部屋に戻ってこないようにするのです.そのための建設費は想像に難くありません.それが今では,デジタルスイッチを押すだけで,ほんのわずかなコストで,すべての周波数で同じような滑らかでしっかりとした低音のレスポンスを得ることができます.なんて素晴らしい時代だろう.