音楽プロデューサー:ラミ・ヤコブ,Dirac Liveを語る(2)
世界的な音楽プロデューサーになるというのは,どこにいても音楽を作るということ
2/25/2021 (2nd version)
Rami Yacoubは,高い評価を得ているアーティストと仕事をする中で,新しいソフトウェアを使えば,どんな環境でも音の豊かなスタジオに変えられることを知りました
Rami Yacoubは,仕事面ではとても恵まれていました.レディー・ガガ,アリアナ・グランデ,マドンナなどのアーティストと仕事をしてきたスウェーデンの有名なレコード・プロデューサー兼ソングライターである彼は,ストックホルムにある伝説的なCheiron Studiosの一員であり,数々の賞を受賞したマックス・マーティンと一緒に仕事をしていました(この2人は,ブリトニー・スピアーズの出世作である「...Baby One More Time」を共同制作しています).そして2008年,Yacoubは自分の道を歩み始めます.
「スウェーデンには素晴らしい音楽シーンがあるのは間違いありません.しかし,ロサンゼルスには独特の鼓動を感じます.何かに偶然出くわしたり,出会うはずのない人との出会いがある.誰かがセッションに入ってきて話を始め,翌日にはその人とのセッションを予約する.ドミノ効果のようなものです」
スタジオで偶然出会ったアーティストとのコラボレーションがない日には、彼はただ座って,スマホに記録されたメロディーや,今まで考えていたアイデアを演奏します.
「ギターを手にし,コードの構造を見つけて,テンポを決め,それから8小節のループを録音して,それをカットし,シンプルなベースを加えたり,キーボードやシンセで始めることもあります」と Yacoubは説明します.「それからマイクをつけて,オートチューンやその他のエフェクトを使ってボーカルを加えると,とてもいい音になります.そして詩とコーラスを繰り返して,曲を作り上げていくんです」
Yacoubによると,アーティストとのコラボレーションも同じようなプロセスで行われるが,アーティストは,自分が何をしたいのか,何を心に抱いているのかについての意見を持っていることが多く,その曲を今後できれば何年も演奏したいことを考えると,その意見を大切にしなければなりません.
「自分自身によるものでも,またアーティストとの共同作業でも,私のプロセスは,自分の心に従って素晴らしい曲の基礎となる正しいコード進行を見つけることから始まります.これはシンプルなプロセスですが,長年にわたって一貫してヒットを生み出してもきました」
ロサンゼルスで Yacoubはストックホルムにも拠点を置く Kinglet Studiosを立ち上げました.マックス・マーティンや,制作パートナーであるスウェーデン出身のイリヤ・サルマンザデとのコラボレーションを続けています.彼はラップトップを持ってロサンゼルスとストックホルムを12年間行き来し,どこにいてもプロデューサーが仮想的に仕事やコラボレーションができるようなテクノロジーの進歩を受け入れてきました.
すべてのスタジオは異なっている
アクセスが良くなり,コラボレーションが容易になると,新たな課題が生まれます.実際,レコーディング環境には全く同じものはありません.しかし,世界的なコロナの大流行により,アーティストがさまざまな場所で安全に仕事をすることを余儀なくされ,モビリティによりさまざまなスタジオで仕事をすることができるようになった現在でも,素晴らしい音楽を創造するために,音の響きの違いを克服する技術が存在します.
「すべてのスタジオは違うんです.あなたが働くかもしれない環境もすべて違うんです」と Yacoubは言う.
Yacoubは,様々な環境で仕事をする中で,部屋が音に与える影響を最小限に抑え,可能な限り最高の音響効果を実現するソフトウェアである Dirac Liveを採用しました.Dirac Liveは,主要な DAWと連携して,高価な音響トリートメントを必要とせずに音響効果を向上させます.
「Dirac Liveを使うと,どんなスタジオで作業しているかは問題じゃないんです.空間のデザインや構造は関係ないんです」と Yacoubは説明します.「ソフトウェアがそれぞれのスタジオのニュアンスを最適化してくれるので,プロデューサーとしての自分は,自分が達成しようとしている本当の忠実な音を聞くことができるんです」
Dirac Research社の室内音響最適化テクノロジーは,特許取得済みのインパルス応答最適化と周波数応答最適化アルゴリズムにより,スタジオの音響特性を改善し,サウンドの精度を高めます.この組み合わせにより,Dirac Liveが動作する DAWは,スタジオが持つ固有の周波数特性とタイムドメイン特性によって引き起こされる問題を克服します.
Yacoubは,「どこにセッティングしても,あまり考えずに最高のサウンドを得られることが大切なんです」と語ります.「本当に賢いソフトウェアが,スタジオのサウンドを一貫して素晴らしいものにしてくれるというのは,とても素晴らしいことだと思います」
冷蔵庫サイズのバストラップは必要なし
Yacoubが Dirac Liveを実際に使用したのは,ストックホルムで既存のスタジオを取得し,音響的な問題を改善しようとしていた時でした.
「完璧に作られていないことはわかっていたんです.スイートスポットに座っていればいい音がしますが,少し頭を後ろにずらすと低音に圧倒されてしまいます」と語る.「パートナーと一緒に座っていても、彼が隣で聴いている音が彼が聴いているようには聴こえませんでした」
スタジオを訪れたサウンドエンジニアからバストラップの提案を受け,2ヵ月後に製作して納品されることになった.2ヵ月後に Yacoubは「彼から電話がかかってきて,バストラップを降ろすのを手伝ってくれないかと言われたんだ」と振り返る.「何を降ろすんだ?」と思いましたよ.
Yacoubのストックホルムのスタジオの音響問題を解決するために,エンジニアは Yacoubが言うところの冷蔵庫ほどの大きさの大きなバストラップを8つ作った.しかし,そのうちの3個をスタジオに入れただけで,バストラップがスタジオの半分のスペースを占めてしまった.Yacoubはそれらを送り返し,別の解決策にたどり着いた.
「Dirac Liveは,私たちが "冷蔵庫 "の上に座らなくても,低音の不完全さや矛盾を解消してくれました.この室内音響最適化ソフトを使えば,スタジオ内のどこにいても,そこの全員が同じ音を聞くことができました」
Yacoubは言います,「ある新しいスタジオで作業をしていると,低音に問題があることがわかり,それに対処するために低音を足したり引いたりします.しかしスタジオの外に出て曲を聴いてみると,そのスタジオの音響的な問題に基づいて低音を過剰に補正していたことに気づきます.しかしその問題は今の環境にはないのです」
今後について
最近の Yacoubは,長年のパートナーとのレコーディングやコラボレーション,そしてロサンゼルスとストックホルムの間で出会った偶然の人脈など,様々な場所を移動しながら活動していますが,どんなレコーディングスタジオでも完璧でバランスの取れたサウンドを作ることができるので,とても自由です.Yacoubは,Dirac Liveとラップトップに加えて,Universal Audioインターフェイスと1176コンプレッサー,Chandler TG2プリアンプと Shure SM7マイクロフォンで構成されるボーカルチェーンを使用しています.
しかし,秘密兵器は Dirac Liveなのです.「Dirac Liveを使うと,どこに行っても音響的に完璧なスタジオを確保してくれるのは間違いないので,本当の,ごまかしのない音を聴くことができます」と Yacoubは言います.
Dirac Liveの詳細については,以下をクリックください.
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以上は Dirac Research社が以下に掲載した記事を aeolian designが訳したものです.