ネット時代のデジタルプリアンプを作ろう

aeolian design tech blog (https://www.aeoliand.com) 室内音響 音場補正 Dirac Live の話題です

3. 音の定位の悪い ブレた音像

== デジタルプリアンプ事始め -室内音響編(3) ==

左右のスピーカーの音響特性は異なる

次に気になるのは左右の特性差です.

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例えば,A の周波数(86Hz)では右のスピーカーの方から大きな音(10dB = 1.7倍)が出ていて,B の周波数(120Hz)では逆に左のスピーカーの方から大きな音(10dB)が出ています.

これは何を意味するのでしょうか.

 

ブレる音像

もしモノラル録音を再生した場合,当然左右のスピーカーからは同じ音が出ます.すると,音像は左右のスピーカーのちょうど中心にあるように聴こええます.右の音量を上げれば,音像は右に移動し,左の音量を上げれば,音像は左に移動します.つまり左右の音量のバランスで,音像の位置が決まるのです.

では,上図のようにある周波数の音は右が大きく,ある周波数の音は左が大きいというのは,音像がブレることを意味しています.これが音が悪くなる正体です.音に明瞭さがないなあ,というあれです.この例の,10dB = 1.7倍の違いは大きいですよ.

音楽制作者は,左右の特性がそろっていることを前提に,ステージ上に楽器演奏者やボーカルがある並びで位置していることを意図して,CDなどの音源を作っていています.でも,実際はこのように音像が周波数ごとに分断されていて,ある部分は右,ある部分は左と,意図された状況から外れた音楽を聴いていることになります.

これも室内音響によりもたらされる問題の一つです.

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