Dirac Live for Studio デジタル室内音響補正の検証 -全15回-
(※ 2021年 8月 Dirac Live for Studio は Dirac Live Room Correction Suite と名称が変わりました)
== Dirac Live for Studio デジタル室内音響補正の検証 (1) -全15回- ==
これから,みなさんのご参考になることを願い,ミッチバーネットさんが Audiophile Style に投稿した Dirac Live for Studio のレビュー記事を,ご本人の承諾の元,抄訳でご紹介していきたいと思います.
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Dirac Live for Studioデジタル室内音響補正の検証
ミッチコ
2020/2/25
Dirac Live for Studio とは
Dirac Live for Studio は,Diracのデジタルルームコレクション(DRC)テクノロジーの最新版です.この記事では,先日この Audiophile Style でレビューした Purifi SPK4 デモキットのレスポンスを最適化するために,Dirac Live を使用する手順を説明します.
私の部屋ですでに素晴らしいサウンドで鳴っているスピーカーの音を良くすることはできるのでしょうか? より良い音とは,部屋のトランジション(シュレーダー)周波数以下の低域レスポンスを滑らかにすること,中域とトップエンドの小さな広い帯域の音色調整をして,もう少し滑らかにすること,そして最後にインパルスレスポンスのタイミング補正をすることです.
簡単な答えは「はい,できます」です.測定された周波数応答とタイミング応答が改善されているのがわかります.また,よりタイトでクリアな低音,全体のスムーズな周波数特性,より広いスイートスポットでの一貫したタイミング特性(ステレオイメージや深度)など,聴感上の違いも確認できます.
Dirac Live for Studio では,部屋のトランジション周波数よりも低い約600Hzから部分的な補正を設計・生成することができますが,これは非常に簡単です.その結果,シュレーダー周波数以下の室内音響で問題となっていた大きなピークやディップがなくなり,よりスムーズな低音レスポンスが得られます.フルレンジ補正を行うと,より広いスイートスポットをカバーする位相特性(イメージングと深度)が改善されますが,これについては主観的なリスニングのセクションで詳しく説明します.
検証の前に,Dirac のルームコレクション技術について少し説明しましょう.